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繁盛する店舗デザインを考える際、どういったデザインが高く評価されているのかを知ることも大切です。ここでは優れた店舗デザインの例として、日本空間デザイン賞に入選した作品をご紹介します。
日本空間デザイン賞は、日本商環境デザイン協会と日本空間デザイン協会の合同主催により2019年から始まったデザインアワードです。国内外の作品から卓越したデザインや優秀なデザイナーを発掘し、それを世界に発信することで空間デザインの持つ新たな可能性の提案を目的としています。
また、国連が採択するSDGsに向けた活動に賛同し、2021年から新たに「すべての人々にとってより良く持続可能な未来の実現に貢献する作品」を対象とした「サステナブル空間賞」が開設されました。


人口1,000人の徳島県那賀町木頭地区を文化の力で再興する、KITO DESIGN PROJECTの1つとして誕生した未来コンビニ。店舗の空間デザインを印象的なものにするイエローのY字柱は、木頭の名産である柚子畑がモチーフとなっています。また、子どもやお年寄りが商品を手に取りやすいように、商品棚は低めに設計。店舗の外観はガラス張りになっており、木頭が誇る豊かな大自然や満天の星と共生するデザインに仕上がっています。


デザインコンセプトは、「コーヒーを客へと届ける媒介者であるバリスタの価値を最大限に発揮できる店」。バリスタのプレゼンテーションの場としてキューブ型カウンターを配置し、バック棚一面に豆のパッケージをグラデーション状に陳列することで焙煎具合を視覚的に表現。客席は中央の作業台で働くバリスタを囲むようにコの字型のカウンター席になっており、バリスタの技術や所作、接客を存分に楽しめる設計になっています。


築86年の日本家屋をオフィスへとリノベーションした作品。印象を大胆に変えながらも、大きく手を加えたのは畳だった部屋の床を抜いたことだけ。床を抜いたことで天井高が生まれ、さらに障子のガラスと障子紙を取り外したことで開放的な空間に仕上がっています。古き良き日本家屋の文化を残しながらも、現代で暮らす私たちの生活にフィットするようにデザインされた空間は、まさに発想の勝利と言える作品です。


アウトドア用品を販売する店内の半分を、自然豊かな植栽エリアにした作品。実際のアウトドアフィールドを再現しており、木に掛かったハンモックに寝転んだり木々の中に流れる小川の水をくんだり、と都心にいながらアウトドアカルチャーを体験することが可能。植栽の葉の色の変化や落ち葉など訪れるたびに自然の移ろいを感じられる楽しみもあり、リピーターを生み出す可能性を秘めた店舗デザインになっています。


長野県松本にある浅間温泉エリアの再生計画として、創業300年を超える湯宿と書店を融合させ、新たな旅館のカタチを提案した作品。大宴会場や大浴場をレストランやライブラリーとしてリノベーションしており、旅館の記憶を残しながらも書店へとアップデートした過去と未来が交差する空間が実現。また、鉄筋コンクリートをそのまま生かすことで、独特の雰囲気をつくりだす演出装置としての役割を持たせています。


奄美大島の山並みと調和する大屋根は日陰の役割や雨天時の車寄せとしての機能を兼ね備えており、厳しい暑さと雨の多い南の島の診療所らしい作品。診療所内部の半分の面積を来訪者がくつろぐ待合空間に割り当てているほか、外部にも子どもの遊び場をはじめとしたさまざまな居場所が設けられ、医療の場を超えた「まちの公民館的な場」への成長を意図したデザインになっています。

デザインのポイントとなるのが、普段は壁の中に隠れている棒状の鋼材の「異形鉄筋」。手すりや什器に用いてあえて目立たせ、職人の技術を必要とする作りにすることで、職人の技術と100年以上向き合い続けている老舗の料理道具専門店にふさわしい空間を実現。また、長年に渡って使われる包丁の歴史の表現として、包丁のディスプレイにアンティークな味わいのある枕木が使用されています。


社員が働く姿を外から可視化できる設計は、本社屋のある西千葉とのつながりを生んでいきたいというZOZOの思いをカタチにしたもの。また、緑の多い西千葉の街並みに馴染むように、木を基調としたデザインになっています。とくに細い木材を編み込んだような屋根や壁は布地を連想させ、アパレルブランドを多く取り扱っているZOZOらしいつくりに。フロアには仕切りを設けず、オープンなオフィス空間に仕上がっています。


「つながる暮らし」をテーマに敷地全体を塀ではなく豊かな緑で包み込み、地域の人が自由に出入りできる装置としてレストランを設計。店内も調理場と食事をする場に境目を設けず、つながりを大事にしたデザインになっています。大勢の人が集って食事をシェアできるように、5.5mのロングテーブルを設置。料理に使用される野菜やハーブなどが育つガーデンを店内から鑑賞でき、自然とのつながりを感じられるレストランに仕上がっています。


さまざまなバックグラウンドを持った学生が国内外から集まる寮だからこそ、共同生活を通じてお互いのことを学び合えるような交流空間をデザイン。大きな4層の吹き抜けの共用部のあちらこちらに、ポットと呼ばれる小さなリビングのような居場所を設置。さまざまな居場所を用意することで、学生同士のコミュニケーションの場を固定化せず、偶発的で流動的な出会いにつながる「まちのような国際寮」を目指しています。


「いい顔してる植物」をコンセプトにした植物屋の叢 Qusamura。店主自ら日本中をまわって集めた個性的な植物が主役になるように、内装は白に塗装。きれいに塗装されたギャラリー空間と解体した住宅をそのまま使用した廃墟感のある空間、同じ空間に対極的なふたつの世界をつくりだしたことで植物の神秘性をより際立たせるデザインになっています。


ビル地下のスタンディングバーを設計した作品。無機質なコンクリートの階段を降りてトンネルを抜けると、そこにあるのは木製の曲面カウンターとカウンター上部に木製の雲がたゆたう不思議な空間。人の流れと空間の流動性を表したデザインになっており、階段を降りたものだけが知ることのできる世界は来訪者に特別感を覚えさせます。


特徴的なファイバーグラス樹脂のファサードが、商業施設の中を行き交う人の目を引き付けるスキンケアブランド店。内装は琥珀色の商品ボトルを美しく引き立たせるためにベージュで統一し、レンガや木材、砂壁など異なる素材を使うことで、光沢の素材が多い他テナントとの差別化を図っています。また、ストレスなく買い物ができるように、商品棚やシンクはカウンターを囲むように配置し、スムーズな動線を確保しているのも特徴です。


中国・上海にあるストリートウェアブランドROARINGWILDの店内をデザインした作品。目を引く真っ赤なマジックキューブはただのインテリアとしてだけでなく、分解して動かすことで中の鏡面が店内の商品をさまざまな角度から映し出す、ディスプレイとしての役割もあり。可動式のマジックキューブは統合と分解をデザイン言語としており、空間に変化する楽しみをつくりだしています。
一見、事務所の場所は関係ないように見えますが、店舗デザイン会社はともに店舗を繁盛へ導くビジネスパートナーなので、密な連携を取ることが必須となります。
以下のコンテンツでは、各都市に拠点があるデザイン会社から、繁盛をさせるための様々な視点でおすすめのデザイン会社をプレゼンしています。
4人の調査団のプレゼンを見て、共感できるパートナー選定の視点を選んでみてください。
利用客にとって選択肢の多い土壌のためか、飲食や小売などの専門店においては、その地域に有名店ができると、近い業態の店舗が集まって専門店の集積地のような形となることもあります。
このような立地の見分け方、その市場において勝ち抜く戦略を持つ店舗が繁盛につながるのです。
コロナの収束によって、次第に活気を取り戻していくでしょう。古代の文化と現代のカルチャーの両方に魅力を持つ大阪は、地元住民から外国人観光客まで多様なニーズに埋もれています。
そんな中、案外共通しているのは結局「安くてええもん」なのかもしれません…。